こんにちは!今日は雪も降ってとても寒い一日になりましたね!みなさんも風邪ひかないように暖かくしてお過ごしください。
さて、今日はネットニュースで見た技能実習生の受け入れに関する素敵なニュースを紹介したいと思います!以下、記事の抜粋です。
「その会社は、社長と従業員の計6人の小さな鉄工所でした。ある日突然、主力のベテラン工員ふたりが辞表を出したのです。ちょうど、先代社長が亡くなったばかりで、奥様が会社を引き継がれていました。しかし、新しい人手を入れられるめどが立たず、いったんは廃業を考えていました。
そこに、『外国人実習生を受け入れてはどうか?』という話が持ちかけられ、意を決してフィリピンまで採用面接に行き、フィリピン人ふたりを招き入れることにしたのです。
それが、実習生のOさんとJさんでした。
ふたりとも男性で、Oさんは31歳で、『稼いで、おばあちゃんのために家を建ててあげたい』という理由で日本に来ました。Jさんは28歳で、幼い娘さんが母国にふたりいて、その教育費を稼ぎたくて日本に来ました。
働いてみると、ふたりともまじめな性格で、実直な仕事ぶりから、残ったふたりの日本人工員ともすぐに良い関係を築きました。社長(先代社長の奥様)一家も何かと生活の心配りをしたことから、会社には最初から家族的な関係ができていきました。
OさんもJさんも口数の少ないおとなしいタイプです。ですが、とにかく愛想がよい。朝夕の挨拶もきちんとする。会社内だけでなく、出入りしている取引先の人たちにも絶えず笑顔で接する。小さな町なので地域のスーパーで仕事のつきあいの人たちともよく顔を合わせるのですが、必ず覚えていて、彼らのほうから笑顔で挨拶する。冬は雪の多い地域ですが、隣に住むひとり暮らしの高齢の女性の分まで雪かきをする。
そもそも、ふたりが勤める会社の先代社長の人望が厚かったこともあり、『あそこの会社に外国人がふたり来たんだってね』と、町の人の注目を集めていました。そこに彼らの良い評判が広まり、町の人が何かと世話を焼くようになりました。
実習生は職場と宿舎の往復だけになりがちなのですが、休日に海まで釣りに連れて行ってくれる人が出てくる。冬に寒くなると、『これ、あの子たちに』と古着が集まる。ときどき、近所のカラオケ店は、彼らにひとり1000円で飲み放題・歌い放題をさせてくれる。技能実習生には1年目と3年目に試験が課されていますが、合格発表の日まで『試験どうだった?』と声をかけてくれる。合格すると、地元の銀行の方たちがお祝いの会まで催してくれる――高齢化し、若年人口が減り、にぎわいをなくしつつあった町で、OさんとJさんはちょっとした人気者になったといっていいかもしれません。
決して派手で社交的な性格ではなく、むしろ、おとなしく実直なふたりなのに、その誠実さが地域に溶け込む要因だったように思えます。
● 地域に根ざした会社が延命していくためには…
玉腰 そんなOさんたちが日本に来て1年ほどたったときのことです。会社の仕事が繁忙を極め、納期に対応するために、社長はOさんにいつもより高度な作業を任せることにしました。溶接の仕上げにあたる工程で、丁寧さが要求される仕事でした。
社長の指導のもとで、Oさんは練習に練習を重ねました。何度もダメ出しを受けながら、徐々に自分でコツをつかみ、最後にはきれいに仕上げられるようになりました。
納品の際、厳しい品質チェックが行われ、関係者のみんなが固唾(かたず)をのんで待ったところ、結果は無事合格でした。Oさん本人はもちろん、社長も先輩社員もみんなが達成感を感じた一瞬でした。
しかも、納入先のベテラン技術者には、『普通はもっと楽な姿勢で作業しないとあのような均質な溶接にならないのだが、彼は筋力と集中力で作り出している。日本人のわたしたちにはとても真似(まね)できない』と驚嘆されたのです。社長が日頃からOさんの仕事を見守り、一段高い仕事を与えられると信頼し、Oさんがその期待に応えようと力を振り絞った結果でした。
ちなみに、Oさんの試行錯誤を傍で心配しながらずっと凝視していたJさんも、Oさんの技能を見て覚え、同じ作業ができるようになったといいますから、連帯感のあるチームというのはすごいものです。
社長の口癖は、かねがね、『彼らが母国に戻ってから、日本は良かったと思い出してほしい』でした。わたしは、社長の思いはきっと叶うような気がしています」
技能実習生の受け入れが始まってから、悪質な仲介業者や管理団体による実習生への被害が後を絶ちません。しかし、この記事で紹介されている例は、ただ実習生として技術を学ぶだけではなく、困っているときはお互いに助け合うという本当の意味での多文化共生であると私は感じました。
今後もこのような形で多文化共生が広がっていくことを願っています。
参考資料:東北地方の外国人技能実習生たちと地元の工場が成し得たリアルな交流 – ニュース・コラム – Yahoo!ファイナンス
筆者:林